九州電力管内の再エネ抑制状況
2021/6/6の記事で2020/4/1~2021/3/31の九州電力管内の再エネ抑制状況を調べたので、他の電源も含めたデータをご紹介。
太陽光の発電実績(SOLAR_RESULTS)、抑制量(SOLAR_REGULATED)、両者を足し合わせた本来の発電量(SOLER_TOTAL)を示す。尚、それぞれ1日の合計値(MWh)としてプロットしており、風力も同様。
太陽光は春から夏にかけて発電量が多く、風力は冬から春にかけて発電量が多い。その結果、双方で春に出力抑制が多い状況が分かる。
全体との比較も必要なので、電力需要(DEMAND)、火力(THERMAL)、原子力(NUCLEAR)、水力(HYDRO)、地熱(GEOTHERMAL)、バイオマス(BIOMASS)、太陽光(SOLAR)、風力(WIND)、揚水(PUMPING-UP)、連系線(INTERCONNECTION)についてプロットした。揚水や連系線がマイナスになっているが、揚水分はその名の通り水を組み上げて発電を吸収しており、連系線分は中国電力へ送っていることになる。
原子力は、何基が起動しているのか分かり易い。電力需要と火力のグラフが似ているということは、基本的には火力で調整しているということだろう。
各項目の相関係数を可視化したものが以下となる。太陽光と火力が、比較的高い負の相関になっていることからも、太陽光の変動を火力でカバーしていることが分かる。水力と地熱も比較的高い負の相関になっている点が興味深い。
念のため、各項目の変動係数を算出すると、以下となった。地熱やバイオマスの変動係数は小さく、非常に安定した電源であると言える。
以上より、結果的に太陽光を活かすために、火力が支えている状況になっている点が皮肉だ。相関の低い風力を増やし、再エネとしての変動を少しでも減らしていく必要があるだろう。また、脱・脱ダム宣言により揚水も増やしていく必要がある。